かっこ良すぎる、ハーベイ・カイテル
 


コナン:今日はよく来てくれましたね。

ハーベイ・カイテル:ありがとう。今日は俳優の前に奇術師のゲストが登場だ。(次のゲスト、デビット・カッパーフィールドのこと)

コ:まさに、あなたが奇術師です。

ハ:そうさ。ん、何かついてるぞ。




コ:ワオ!その手品でカッパーフィールドとコンビが組めますよ。

ハ:奴の財布から頂戴した。いや、こっちの話…

コ:そのコイン、パクったんすね。まず、映画がNo1のヒット、おめでとうございます。この映画は英雄の話らしいですが、実際、英雄的な人助けをしたことがあるそうで。

ハ:まあね

コ:照れないでください。みんな聞きたいよね?(拍手喝采)さ、教えてください。


ハ:かなり昔のハナシだが…

コ:このハナシに振れって頼んだじゃないですか。しかも50ドルくれたし。

ハ:あれはロバート・デニーロが『ミーン・ストリート』で最優秀助演男優賞にノミネートされた年で、私もニューヨークの映画批評家賞の式典に出席していた。そこで夕食を取っていたんだが急に辺りが騒がしくなってね。振り返ると人だかりができていて、叫び声やらで騒がしかった。テーブルを離れて騒ぎの方に行くと、すごい人だかりでね。人を掻き分けて進んだけど、みんな大変な騒ぎようだった。やっとこさ騒ぎの中心に着くと、男たちが女性の足首を持って逆さ吊りにしていたんだ。女性の体を揺さぶりながらね。


コ:喉が詰まっていた?

ハ:その通り。女性の頭はモップのように床を動き回り、みんなパニック状態だった。私も頭の中真っ白だったが、気づいたらしゃがんで女性の喉に指を突っ込んでいた。そしたら胃の中のものすべて僕の手に吐き出してね。肉の塊やらゲロやらイロイロ…




コ:そんなに細かく説明しないでください。で、ゲロってどんな感じでした?


ハ:すぐトイレで手を洗ったよ。

コ:命の恩人ですね。

ハ:女性のダンナさんが追ってきて「なんとお礼していいか…あなたは命の恩人です」って声をかけてきたよ。で、翌日新聞を見たらデカデカと
「ロバート・デニーロ、女性の命を救う」だと!
呆然として手を眺めていたよ。



コ:よくあるらしいですね。まだほかにもエピソードが?

ハ:これも本当にあったハナシだ。デニーロとローマにいたとき、車が警察に捕まってね。どうやら、うちらが反政府組織の一味だという情報があったらしい。早朝に車を止められて、機関銃を持った警官にホールドアップを食らったのさ。結局、自分たちが役者だってこと信じてもらえずに警察へ連行されたんだ。でも最後には身分もハッキリして釈放された。で、翌日のヘラルド・トリビューン紙を見ると
「ロバート・デニーロ、キース・キャラディーン、ローマで逮捕」
だと!
呆然として手を眺めていたよ。まったく、いいかげんにしてほしかった。



コ:ほんとそうですね。ところで、あなたの映画はいろいろ見てるんですが、子供のときはドモリがひどかったそうですね。今は全く普通に話しているので信じられません。

ホ:実はそうなんだ。そこにハナシを振ってくれて感謝するよ。ああ、栄光の日々…

コ:でも、ハーベイ・カイテルも昔ドモリだったと知れば、同じ悩みを持った人にはすごい励みになりますよ。

ハ:実は、役者で最初に仕事をしたときにある男から電話が来てね。その頃はまだ電話帳に番号載せてたから。私がドモリだったと聞き、その男もドモリながら電話してきていろいろ質問されたよ。そうだな。確かにあのとき彼の助けになれて嬉しかったよ。だが、子供時代は大変だった。友達に散々バカにされたし。ホントはいい奴らなんだけど、ブルックリン流の友情ってのは、相手を落ち込ませることなんだ。分かるかな?

コ:僕の場合、大人になっても収まりませんでした。

ハ:あの頃は朝早く起きて野球をしていたから、友達の家に行って呼び出す必要があってね。友達はアパートの3階に住んでいた。でも、母親が出て怒られるので、素早く呼び出す必要があったのさ。そいつはハワード・ワインバーグっていう名前で、あだ名で「ホーウィー」って呼んでた。だから母親が顔を出す前にアパートの下から「ホーウィー、ホーウィー、ホーウィー」って素早く連呼する必要があってさ。でも、実際に呼び出そうとしたら「ハ、ハ、ハ、ハ、ハ」ってドモってしまって、友達が顔を出す前に母親に「ウルサイ!」って怒られてしまったんだ。

コ:で、ホーウィーは母親に「ロバート・デニーロと遊んじゃだめ」って叱られたんですね。

ハ:呆然として手を眺めていたよ。


コ:またやられちゃいましたね。映画の話題にしましょう。『U-571』、先週はNo1でした。大人気ですね。

ハ:この映画を機にアメリカの英雄たちについて語りたいと思う。英雄の多くは軍隊に所属する人々だが、この映画は第2次世界大戦で潜水艦任務に志願した男たちの話だ。彼らは死亡率の高い潜水艦任務にあえて志願したんだ。民主主義と抑圧されたヨーロッパの人々を守るため立ち上がり志願した。この映画は彼らに捧げるものだ。


コ:今夜は映画の1シーンを見てもらいましょう。僕はさっき見たんですが、すごい緊張感ですよね。場面の説明をしてもらえますか。

ハ:乗組員がドイツの潜水艦内に閉じ込められる場面だ

コ:そして、ドイツ潜水艦を試行錯誤で動かす場面ですね。それじゃ、見てみましょう『U-571』。

(映画の映像始まる)



(映画の映像終わる)

コ:『U-571』は全国で上映中。今日はありがとうございました。


ハ:ありがとう

 


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